馬の感情を読む — 耳・目・尾が語るサイン

Photo: Gallop Journal Editorial — 馬の感情を読む — 耳・目・尾が語るサイン
馬は言葉を持たない。しかし耳・目・尾・体全体で、豊かな感情を表現している。馬のボディランゲージを読む力が、馬との関係を変える。
馬のそばにいると、言葉がなくても何かが伝わってくる感覚がある。それは気のせいではない。馬は全身を使って感情を表現しており、その読み方を知っている人間には、馬が雄弁に語りかけてくる。
耳が語ること
馬の耳は180度回転する。この耳の向きが、馬の注意と感情の方向を示す最も明確なサインだ。
耳が前を向いているとき——馬は何かに強い興味を持っている。初めて見る物体、遠くの音、新しい環境への好奇心の表れだ。
耳が左右に忙しく動いているとき——馬は周囲の情報を収集中だ。不安や緊張のサインでもある。
耳が後ろに寝ているとき——これは警戒のサインだ。強いストレスや怒りを感じているときに見られる。この状態の馬に不用意に近づくのは危険だ。
耳が横にだらりと垂れているとき——馬がリラックスしているか、体調が優れないサインだ。文脈によって判断する必要がある。
目が語ること
馬の目は頭の側面についており、ほぼ360度の視野を持つ。しかしそれゆえに、真正面と真後ろに死角がある。馬に近づくときは必ず声をかけてから、斜め前から近づくのが基本だ。
目の周りの白目が見えているとき——馬は強い恐怖や興奮を感じている。「白目をむく」という表現は人間だけでなく、馬でも同じ意味を持つ。
まぶたが半分閉じているとき——馬はリラックスして眠気を感じている。信頼できる環境にいる証拠だ。
目が硬く見開かれ、一点を見つめているとき——馬は何かに強い警戒心を持っている。この視線の先には必ず何かがある。
尾が語ること
尾(しっぽ)は馬の感情バロメーターだ。
尾を高く掲げているとき——興奮・高揚感・エネルギーの高まりを示す。アラブ種は特にこの傾向が強く、尾を高く上げて走る姿が美しいとされる。
尾を激しく左右に振っているとき——人間が手を振って虫を追い払うのと同じで、不快感のサインだ。ハエなどの虫を嫌がっているか、騎手の脚の使い方に不満を持っているときに見られる。
尾をきつく体に押しつけているとき——強い恐怖や痛みのサインだ。この状態の馬は非常に緊張しており、突発的な行動を取ることがある。
体全体が語ること
馬のボディランゲージは耳・目・尾だけではない。
鼻孔が大きく広がっているとき——興奮・警戒・強い運動後の呼吸の必要性を示す。
唇をぺろぺろ舐めたり、あくびをしたりするとき——緊張が解けてリラックスした瞬間のサインだ。訓練の場面でこの動作が出たら、馬が「理解した」「受け入れた」というシグナルだとされる。
前肢で地面を掻くとき——苛立ち・待ちくたびれ・注意を引きたいときのサインだ。
馬を読む力が関係を変える
馬のボディランゲージを読む力は、乗馬技術と同じくらい重要だ。馬がリラックスしているか、緊張しているか、不安を感じているか——それを感じ取れる人間は、馬にとって「信頼できるパートナー」になれる。逆に馬のサインを無視して力で動かそうとする人間を、馬は決して信頼しない。
馬と過ごす時間が長くなるほど、その読み方は精度を増す。そして馬の感情が読めるようになったとき、人はようやく「馬と話している」という感覚を得る。
この記事を読んだ方におすすめ
・馬のボディランゲージをもっと深く学びたい方への本 → Amazonで見る:https://amzn.to/4eLgnNT
・馬と実際に触れ合える乗馬体験 → アソビューで全国の体験を見る
・乗馬を始めるなら最初にヘルメットを → Amazonで見る:https://amzn.to/4sTyWTH


